フリーランスデザイナーから外資に転職

35歳、新人として再スタートしました。

私のフリーランス時代って何だったのか

ついに、3ヶ月で会社を辞めた。華々しい響きの外資系企業を。

辞めるときに、色んなことを考えた。「3ヶ月 退職」と検索すると、後悔するぞ、辞めとけ、どこにいっても通用しない、履歴書に傷がつく、ストレス耐性が低すぎる、3年は耐えろなどなど、まさにその通り!としか言いようがない言葉たちが私にストップをかけてきた。しかし、ストレス耐性が低く、飽きやすい私は、Resignation Letterの提出をストップすることができなかった。

すでに何社か面接を受けていて、全く手応えは感じていなかったが、提出してしまった。今まで培った自分の経験を捨て、何か新しいものになりたいと考え、初めての英文履歴書と初めての英語面接を突破し、希望に満ちて入社した会社をあっさりと手放した。

しかし、何のことはない。Resignation Letter、要は退職届を出したその週に仕事が決まったのだ。幸運だ。転職回数が多い35歳を受け入れてくれる会社があったのだ。

さすがに、もう新しい挑戦をしようとは考えていない。結局、長く時間をかけて自分が向き合ってきた事だけが評価され、自分の自信となり、その道で生きていくしかないと、どこかで悟っていた。

私はまた、編集とデザインの仕事へと戻る。仕事と私生活の境がなくなり、クライアントからは足元を見られて値下げに応じ、最後の方はぐちゃぐちゃだったフリーランス時代もあったが、もう理想を追うのは辞める。地に足を着け、会社員として仕事を全うするしかない。そこに気づくために、神様的な何かが、女たちの欲望としがらみと間違った方向に高い意識を持ち合わせた人間たちで渦巻いている外資系企業へと一時的に導いたと思おう。

フリーランス生活が長かったけど、会社員に戻る事への抵抗はあまりない。一時はフリーランスとして生活している自分に酔っていたのは事実だ。社畜で働くみんな、私は自由やで、お金持ってるで、と、毎日酒を浴び、高い腕時計を衝動買いし、悠々自適な生活を送っていた時期もあった。月に100万円以上使えるお金が入ってきたんだもの。私は勘違いを起こしてしまったのだ。しかし、売り上げが良い時期もあれば悪い時期もあった。資金の回収が遅れる、クライアントに支払いをしぶられるなどなど、話せがきりがない。まあ、全部自己責任なので、後悔することもないし、なんとか生きているし、良い勉強になりました。

一時期ほどでもないが、フリーランス・独立という響きは未だにファッショナブルだと思う。ファッショナブルって言葉を使うのはあまり好きじゃないけど、トレンディでファッショナブルって言葉そのもののように、実態が見えなくて、何が良いんだか説明がつかないけど時代にマッチしているその感じは、まさにファッショナブルだ。

フリーランス、自分の力でお金稼いですごいでしょ?って事だろうけど、会社を起こして社員一人一人の保険を負担し、何人も人を雇ってその人とその家族の生活を支えて、組織としてのシステムを作っている会社の社長の方が偉大である。背負っている責任の重さが違う。

フリーターという言葉がファッショナブルだった時代があり、派遣社員という言葉がファッショナブルだった時代もあり、そして今、フリーランスがファッショナブル。大きな括りで表示すると、フリーランスは請負契約をするため「アルバイト、パート、派遣、請負」などの非正規カテゴリであり、正規と呼ばれる「正社員」以外のカテゴリになる。なんとなく、非正規カテゴリで盛り上がっているけど、要は安く使える人員を増やして利幅を上げ、企業の売り上げを増やしましょうみたいな、その時代ごとの戦略に見えてしょうがない。違うかもしれないけど、そう見えてしまう。

これは認めたくなかったが、3ヶ月お世話になった外資系企業、これからお世話になる今の会社を含め、昨年から10社程度、面接の機会をいただいた。会社によっては、フリーランス時代の功績は一切無視される。これはまじだ。ビビる。私の8年間はなんだったのか?ああフリーランス?それって食べれるんですか?で、会社員だった頃の話ですが・・・・・・みたいな感じでスルーされるぜ。それは業種にもよるので、一概には言えないし、これから入る会社に至っては、フリーランス時代の功績、個人で作った売り上げ、仕事の規模をしっかりと見てくださった上、私の傷だらけの履歴書も受け入れてくださいったのだ。神かな。頑張ろう。

話は脱線したけど、要はフリーランスって実際はそこまで評価されないし、一度そこにハマったら、正社員に戻るのは結構大変だと思う。これは、フリーター・派遣社員と同じだ。友人もまた、2年ほどだけどフリーランス時代を経験し、思った以上に稼げない!結局会社員最高!という思いに至って就職活動をしたそうだが、決まるまで何十社と受け、1年近くかかって何とか決まったと言っていた。自分が言うのもおかしな話だけど、フリーランスやっていましたってだけで、何となく扱いずらそうだし、人間関係でドロップアウトしてフリーランスっていう流行の言葉に乗ってそれを名乗っていた軽い奴って感じするもの。本当、自分で言うのもなんだけども。もちろん、頑張っている人もたくさんいるの知っているけども。

バツが悪くなってきたので、今日はこれで終わり。