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デザイナー崩れは今日も生きている

このブログの更新が止まった時が、食っていけなくなった時

ステーキの代替にラーメンを提案する木杭と食べログ

日常記録

やけ木杭に火が着くのかどうか?という状況にある。

だいたい、木杭(ぼっくい)って何?と思ったら、建設用語で木の杭を指すそうで、ネットで調べても想像を超える回答は出てこなかった。そのままだ。やけ木杭に火が着くとは、一度焼けて炭化した杭の事を指すそうで、火をつけると燃えるまでに時間がかからない事から、男女の復縁を「やけ木杭に火が着く」と言うそうな。
木杭を漢字で書く分には、難しい専門用語のようでなんら違和感はないものの、口に出すと間抜けだ。「ばびぶべぼ」が頭にくる時点で、間が抜けてて平和。「ばあちゃん」「びろびろ」「ぶっとび」「べろべろ」「ぼそぼそ」。ばあちゃんとぶっ飛び以外に、擬音しか出てこない自分の語彙に不安がよぎる。
今、部屋で一人「ぼっくい」と発してみた。32歳の女が一人、部屋で「ぼっくい」と叫ぶ。響も、この状況も間抜けだ。

話が脱線してしまったけど、その「木杭」とは、別れてからも仲が悪かった訳ではなく、別れた後に私が他の男と遊びまくっている様子も知っている。正式に別れてから2年近く経つが、最近になってまたよく家に遊びに来たり、食事に行く機会が増えた。

先日も、木杭と食事に行く事になった。
「近所のステーキ屋の主人が高齢だから、一度行っておこう」
お店がなくなる前に一度そこのステーキを味わっておこうという話になり、そこそこいい値段のするステーキを一緒に食べに行く事になった。お互いの用事を済ませた頃に落ち合い、店に電話してみると、ラストオーダーの時間が15分前に迫っていた。これはもう無理だ。ここからでは間に合わない。やけ木杭は言った。

「隣駅に2カ所、行きたいラーメン屋がある」

彼は、ステーキの代替え案としてラーメンを提案した。ラーメンに何も罪はないけど、ステーキを食べようというテンションで昨夜から過ごし、ステーキを罪悪感なく食べるために予め午前中に野菜を摂り、二人でじっくりと時間をかけてステーキを食べる姿を想像していた私は、頭に「?」マークがたくさん浮かんだ。

ラーメンは良い値段でも1,000円程度。そこにビールをつけても1,500円程度。
ステーキは、コースとお酒含めて一人4,000円〜5,000円程度。
ラーメンは、10分もあれば食べ終わる。
ステーキは、前菜のサラダやスープを味わい、赤ワインを片手に1時間程度かけて食べる。時間も、予算も縮小された。安く見積もられたような気がした。

「…頭が肉モードなんだけど、せめて焼肉にしない…?」
「ああ、焼肉でもいいよ!どこ行こうか?」
木杭は、柔軟に焼肉案が受け入れた。私はすぐさま食べログに記録していたこの駅周辺で行きたかった焼肉屋のページを開く。
食べログ評価は3.2で、友達が美味しいって勧めてくれたんだよね。行こう行こう」
これで、私は肉が食べられるし、完全に焼肉モードを取り戻す。次に、彼が言う。
「行きたかったラーメン屋、うちに来る店のお客さんの評判も良くて、食べログ3.6付いてた」

木杭は、飲食店のオーナーである。彼の店には、グルメなお客さんが多いのは事実だ。そして、食べログ3.6。これは魅惑の響だ。私は決して食べログの評価を全て真に受ける訳ではない。それでも3.5以上が付くのはそうとう美味しいんじゃないか?という先入観がある。女性に例えると、3.0あたりは家庭的で可もなく不可もない女性。3.3〜3.5あたりは、顔立ちも良く、キャリアと家庭を両立させているような女性。フェイスブックに意識高い投稿をするのはこの手の女性に多い。3.5以上は、社長夫人か、キャリアに生きる覚悟を決め、「綺麗なのになんで結婚できないのかしら?」と言われながらも男を切らさず、一度は抱いてみたいと思わせるいい女。彼女たちは、普段からそこそこ贅沢に過ごしているので敢えてランチなどをFacebookに投稿するような事をしない。出会えそうで、なかなか出会えない。4.0以上は神。モデルや芸能人レベルだ。彼女たちは、他者の評価などは気にせず、自ら流行を作るBORN IN 美人の象徴だ。もちろん、これは私の勝手な思い込みだけど、食べログ評価にそんなイメージを持っている。

 

「まあ、あなたがラーメンモードなら、今日はラーメンにしよう」
あっさりと食べログ3.6で寝返る。
事実、ラーメンは最高に美味しかった。翌日、木杭はランチでステーキをおごってくれた。このまま、焼け木杭に火が着くのだろうか。ありがちな落ちですが、少なくとも、ラーメンによって多少胸は焼けた。