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デザイナー崩れは今日も生きている

このブログの更新が止まった時が、食っていけなくなった時

廃人状態から、木綿のハンカチーフを口ずさむようになるまで

日常記録 感想文

約150ページ分の入稿を終え、燃え尽きた。
朝5時に起き、冷暖房のない場所で撮影、電車移動の合間に仮眠し、深夜まで編集作業をして、翌朝同じように朝5時に目を覚ます。
妄想と現実の間を彷徨っているのが唯一の至福の時だ。とはいえ、そんな期間は年に数回。稼げる時期に稼がないと、一年を過ごすことができない。
休める時にじっくり休み、動ける時に思いっきり動く。こんな働き方、何歳までできるのであろうか?32歳。そろそろしんどい。そんな期間を経て、廃人のようになりながらも、新規の仕事を求めて活動を続けていかなければならない。

 

今月働いた分の報酬は、どこの企業もだいたい翌々月あたりに入金される。1月に区切りよく納めた仕事はないので、3月は今月2月の入金分で生活をすることになる。
私が扱う案件の多くは、話がスタートしてから納品までに約2ヶ月程度かかるものが多い。今月は年末あたりからスタートした案件を一気に納品したが、4月に請求書を上げて6月の生活費を確保するためには、今から新しい案件をスタートさせる必要がある。売り上げが多くあがったとしても、できるだけいざという時の貯蓄に回し、手元には定額だけ残すようにしている。

 

仕事に焦りはあるのに、なぜ恋愛に焦りがないのか?働くことについては前を向いているのに、恋愛に対しては過去に生きようとするのか?私の中の「女」がそうさせているとしか思えない。そうしておこう。


日本とアメリカのハイブリッドダーリンからは、相変わらず既読すらされない「既読すらスルー」の仕打ちを受け続けているが、彼との甘美なひと時を思い出しながら、いっそこのまま思い出の中で生き続け、妄想と現実の間を彷徨って生き続けるのも悪くないかもしれないと想いを募らす。これがそういうプレーであるならば、喜んでそれを受け入れる。
どんなに好きな人と一緒になれたとしても、どうせ2~3年もすればその熱い気持ちは冷めてしまうのだから、美化された思い出とともに過ごすのも悪くない。万一街で偶然彼と会った時に最高の笑顔を振りまけるように、常に自分を最善の状態に保つ努力にも繋がる。
私には、執着と恋愛の区別がつかない。なぜ、仕事では執着すればするほど身を結ぶのに、恋愛ではそうはいかないのか。最近のテーマでもある。

昨日廃人として読んだ、辻村深月さん著の「盲目的な恋と友情」はまさに、「女」全開の話であった。
学生オーケストラの指揮を務める茂実 星近(しげみ ほしちか)と、そこでバイオリンを奏でる天然美女の一瀬 蘭花(いちのせ らんか)、その友人で、顔が決して良いとは言えず、それをコンプレックスに持っている傘沼 留利絵(かさぬま るりえ)という主な登場人物の中で繰り広げられる、盲目的な恋と、盲目的な友情を描いた作品。蘭花から見た星近への盲目的状況と、留利絵から見た蘭花への盲目的状況と、2つの構成から成り立つ。周りからは惚気だと思われている彼への愚痴も、本人からしてみればそれは本当に地獄で、当人同士が共依存に陥っている場合、または一方的に依存している事がある。男女だけではなく、女同士でも同じ事は起こる。今はそういう輪にいないので分からないが、少なくとも中高生頃の女の友情とかいうものは、ほとんどそういった執着のようなもので形成されていた気がする。誰と仲良くなり、スクールカーストのどこに位置するのかで自分のステータスを確立するのが女という生き物だと思う。そのヒエラルキーを気にしているのは、スクールカースト上位の集団ではなく、どちらかと言えば容姿にコンプレックスを持って積極的にコミュニケーションを取れない女性達が、勝手に自分達をカースト下層に持って行ってるだけの場合もある。その代表みたいな存在として留利絵がいた。
作品内では、各登場人物がどういった状況に陥っていて、それぞれの登場人物を通じてどう思われているのかを簡潔に綴っている。

印象的な言葉を一部。

 

蘭花

どうしてみんな、茂美の美しさに気づかないの。あなたたちのその凡庸な彼氏とは明らかに違うのに。何故みな、そんな、美しくない、特別でもない相手で満足できるのーー。

 

どれだけ言葉を尽くされても、正論を語られても、そんな高尚なことは、それがどれだけくだらないとわかっても、茂実が私に甘える泣き声一つにすら叶わない。

 

長くずっと苦しめられてきたから、彼から苦しめられない人生なんて考えられなかった。

 

【留利絵】

そうやって、めぼしい男子とあけすけに口を利くことが自分のキャラクターだと思っているんだとしたら、バカみたいだ。

 

ショックだった。蘭花と茂実がそうなっていた、ということよりも、蘭花がそれを私に何も話していなかったということが、壮絶な、ショックだった。美波は知っているのに。

 

私にあの子は、もっと感謝するべきだったんじゃないか。でも、あの子だって本当はわかっているはずだ。今の自分があるのも、その幸せがあるのも、私のおかげなんだから。

 

私も何かに執着しがちなので、2人の気持ちが分かる。そして、ハイブリッドな彼も含め、男の人が執着することってなんだろうか?と考える。こだわりのモノを持つこと?プライドを守ること?つまり、自分自身に執着するのかーー?そんな男女のすれ違いを考えているうちに、「木綿のハンカチーフ」が頭から離れなくなる。
まさに、「モノ」を求める男性と、「心」を求める女性のすれ違いを描いた歌詞じゃないか。歌詞の中では、もうお互いがダメになるとわかった時、女性は唯一心以外のモノを彼に求める。それが、「涙を拭くためのハンカチーフ」。そうか、ここに男女の心理全てが集約されていたのか。もうダメだ、木綿のハンカチーフが止まらない。しばらく廃人状態が続きそうなので、今夜は木綿のハンカチーフを口ずさみながら映画でも借りに行こう。