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デザイナー崩れは今日も生きている

このブログの更新が止まった時が、食っていけなくなった時

都合のいい女の頭の中

妄想と現実の狭間で

アメリカ人の父親と日本人の母親の元に生まれたハイブリッドな彼の綺麗で大きな瞳、長いまつ毛、小さい顔、私を溶かす唇、柔らかい肌、体をなぞる指先。高い鼻。ああ、純日本人とキスするのとは違って、こんなに邪魔になるんだ、鼻って。ここまで顔を傾けないと唇に届かないんだ。彼の首筋からは、香水も付けていないのにいつも桃の香りがした。その首筋に住みたい。しかし、彼には恋人がいる。高級クラブでNo.1に君臨する美しい彼女が。

昨年末に見込ハズレの男と関係を持ってしまい、過去に関係を持ったメンズたちにさえ申し訳ない気持ちで過ごしていた頃、私は彼と出会った。お互いに興味を持ち、すぐに関係を持った。「よし!これで体が浄化された!元彼のみんな、ハイブリッドで美しい肉体の持ち主が兄弟に加わったよ!」と、そこで満足しておけば良かった。この歳になれば、本命の彼女がいる相手に本気になってはいけない事くらい重々承知している。

いくらいい歳になったからと言って、自分が傷つくのは怖い。予め私は彼に言った。

「セックスは同じ相手と3回してみないと分からないって叶恭子様が言っていたから、とりあえず3回してみない?あなたにも本命がいるわけだし」

そうすれば、確実に3回はできる!そして、4回目以降に関係を持たなくなったとしても、「もともと3回の契約だったから」と、振られた自分に言い訳ができる。彼もまた、「斬新なアイディアだね」と優しく笑った。今でもその笑顔が脳裏に焼き付いている。あぁ、思い出が美化され、私の頭の中の彼がますます美しくなっていく。

出会ってから3回目のコトを済ませるのに、2週間とかからなかった。彼曰く「僕たちの相性はとても良い」との事。彼の方から「3回とは言わず、契約を更新しよう」と言ってきた。私の膝枕に甘える彼。一つ一つの仕草が美しくてかわいい。自分の可愛さを知っていて人間に甘えてくる猫と一緒である。こんな甘い関係がずっと続くかもしれないし、これが最後かもしれないし、複雑な想いを抱えていつも深い話をする事はできなかった。それから、2〜3回LINEのやりとりをした。彼の既読が付くときは、彼の方から用があるときだけ。

私が送ったメッセージに既読が付かなくなってから、もう2週間。結局3回で終わった。それならわざわざ「契約を更新しよう」なんて言わなくても良かったと思うんだけど、女性を喜ばせるのが彼の性癖なので受け入れるしかない。それでも、もしまた彼から連絡があったら、私はまた喜んで彼に会いに行く。とうに婚期を逃しているが、誰からも必要とされなくなるくらいなら、誰かの都合の良い女でいる方が良い。いずれ、歳を重ねて誰からも相手にされなくなるその時まで、女たらしのいい男に遊ばれて、転がされている時の心地よさからいつまでも抜け出せないだろう。彼のハイブリッドな下半身は、今日もどこかで誰かを満足させているに違いない。